彩の助の木刀術概要

木刀を扱う剣術的な事だけではなく、体術的な事もやっていきます。

剣木刀術 剣の角度の事(座学)

「刃筋を立てることが出来て始めて剣で攻撃することができる」と心得て下さい。

第一回目は剣の「角度」について。

木刀術というブログタイトルにいきなり反しますが、真剣でのお話だと思って読んで下さい。

木刀ならば真剣ほど慎重な話ではなくなってきますが、基本は同じです。

 

さて角度というと何が軸なのか混乱されるかと思います。

あらゆる角度、全て大事ですが今回は特に一つの角度について取り上げます。

 

それは剣をドリルみたいに使う場合に回転させる角度です。

手に持った時に一番回転させやすい角度ですね。刃のラインに対して垂直方向です。

つまり剣の刃が対象物に対してどのような角度で当たるのかを左右する角度です。

 

ここの角度は刃が対象対してに垂直になる角度になるように意識しましょう。

刃が対象物に対して垂直になっていることを「刃筋が立つ」なんて言ったりもします。

大抵の場合この角度は剣の軌道に対して並行であると思います。

 

 

垂直とか平行とかわけわからなくなってきたかも知れません。

要は刃がまっすぐ相手に向いていれば良いのです。

チョップ(手刀)する時に小指が当たるように、指の背や腹ではなく小指が当たるような感じです。

 

理由は様々ですが、刃筋が立たない事の欠点がとても多いです。

例えば切断時、刀身に深刻な負担をかけます

角度がズレていると余計な抵抗を生み剣の軌道がそれます(空気中では体感しにくいかもしれませんが、水中では顕著です。下敷きかなにかで試してみて下さい。)

加えられた力と剣の軌道との間にズレが生じその軋みは刀身を歪めます。

剣は綺麗に斬っていても徐々に刀身が歪んでいくものですが、そこに拍車をかける事になります。

刀の場合、鎬の面(手刀でいう手の平、甲の面)で殴れば刀身は簡単に曲がります。

 

更には斬れるものも斬れません。

あまりに角度がズレている場合、それはもはや「斬る」ではなく「殴る」となります。

刃が物を斬れる最大の理由は対象に触れる面積が小さいが故にその小さな面に力が集中することにあります。

角度がズレればズレる程触れる面積が大きくなることで力は分散し、対象を斬り進むだけの力を失います。

 

 つまるところ

角度がズレていると剣に負担がかかるばかりか性能を発揮できないのです。

 

 

当然狙いがあって角度をズラすことはあるでしょう。

 

あえて90度ずらして振る技もあります。

が、それも空気中を移動している間の話で攻撃の瞬間には適切な角度になっています。

 

つまるところ、ほとんどの状況で適切な角度であることが基本なのです。

 

「刃筋を立てることが出来て始めて剣で攻撃することができる」と心得て下さい。